入試制度が話題になることが多かった2019年。相変わらず大臣が私見を述べマスコミが食いついて本質をうやむやにする流れは健在でした。
日本が開国して160年近く。今や近代化のツールとして英語が必要な訳ではありません。英語が必要だった時代にはエリートがその部分を担っていました。とは言え…日米開戦前、野村大使の英語力は低く齟齬をきたしたと聞いたこともあります。その辺りの失敗からは英語教育の検証が行われたのかどうかは存じませんが…
では現代日本人はどう英語と付き合うべきか?
大学生は論文読むときに必要ですし、サービス業の方は免税や商品説明時に必要かもしれません。高齢者の方は趣味で英語を読むかも知れません。SNSでコミュニティを広げるために英語を使う人も多いでしょう。
はい、ニーズも到達点も人それぞれなんです。
トヨタが「もう終身雇用ムリ」「新卒一括採用やめる」って言っているときに国が入試制度に関わってサービスの受け手である生徒の多様化を無視してる時点でこの改革は単なるポーズです。
現場の混乱も伝えられますが、そもそも英語をツールとして教えられる人材って少ないんですよね。教えることが役割であるはずの学校に…
新学習指導要領に関する教師、保護者の意識調査
「英検」の可否は置いといて、公立小学校のクラス担任250名で取得のヴォリューム層は2級の13.1%。未取得者は36.5%だそうです。
制度改革を叫ぶ前に、教育の確たるヴィジョンも示さず慣習で採用したこの先生方だけに子供たちの英語教育とその責任まで負わすのなら行政は無責任過ぎます。英語センター試験の代わりに民間試験導入するよりもそちらの採用改革が切実な問題じゃないかなと思った2019年の12月でした。